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  • [Illustrator]ライブペイントでアイソメイラストを塗り絵のように楽しく作る

    [Illustrator]ライブペイントでアイソメイラストを塗り絵のように楽しく作る

    Illustratorのライブペイント機能を使えば、塗り絵のように楽しくアイソメイラストを書ける。
    好きな色を好きなように塗り塗り。
    上手く塗るコツは、最初に使う色を3色決めてスウォッチに登録するだけ。
    もちろん3色以上もOK。

    • バージョン:IllustratorCC以上
    • iPad版Illustratorは不可(ライブペイント機能未実装)

    STEP1:ライブペイント用のグリッド線を作る

    アイソメトリックイラストに欠かせないグリッド線。
    大きく分けて、グリッド(マス目)がひし形か三角形の2パターンあり、ライブペイントで作る場合は三角形のグリッドを使う。ひし形だと縦線が塗れないからだ。

    すでにグリッド線の作り方を知っている人やテンプレートがある人は、ご自身のでOKなのでSTEP2へ進もう。
    テンプレートや作り方に自信が無い人は、当blogでグリッド線の簡単な作り方を解説しているので、下記を参考に。

    STEP2:スウォッチに使う色を登録しよう

    3色でOK。
    ・基本の色
    ・少し暗い色
    ・かなり暗い色

    アイソメトリックイラストは、必ず「3つの面」がつながって1つの立方体となる。
    作品のテイストにもよるが、一般的には上面がもっとも明るく、右面が暗い。左面はその中間。左上から光が差していることとなる。
    なので、上面を基本にして、少しくらい色とかなり暗い色の3色を作れば最低限OKだ。

    アートボード外の適当な場所に、3つの四角形を作って3色を決めよう。四角形の大きさは任意で。

    色を決めたらスウォッチに「新規カラーグループ」として登録しよう。これを登録することでライブペイントでの色塗りが劇的に楽になる。

    1. 着色した3つのオブジェクトを選択する
    2. スウォッチパネル下の「新規カラーグループ」ボタンを押す(フォルダのアイコン)
    3. 任意で名前を付けてOKボタンを押したらカラーブループ完成

    STEP3:アイソメ用のグリッドをライブペイント化しよう

    STEP1で用意作成したグリッド線をライブペイント用のオブジェクトに変換する。
    グリッド線が多い(マス目が細かい)と処理に時間がかかり、場合によってはIllustratorがフリーズしたり落ちたりするので、必ず保存してから作業しよう。
    あまりに多いとIllustratorが「複雑で時間かかるから保存をオススメ!」というメッセージが出るときもある。

    1. グリッド線を選択
    2. 線と塗の色を「なし」にする
    3. メニュー「オブジェクト」→「ライブペイント」→「作成」をクリック
      もしくは、ライブペイントツールでグリッド線のオブジェクトをクリック
    4. ライブペイント用のオブジェクト変換完了

    STEP4:好きなように楽しく着色

    最初はちょっと慣れが必要だけど、好きなように着色していけばよい。
    ただし、ライブペイントはIllustratorの機能の中でも重たい部類なのでこまめな保存をしながらの作業がオススメ。

    上面、左面、右面の「ひし形」を意識すると塗りやすい。ライブペイントのグリッドは三角形なので2つのエリアで1セットと覚えるのが良いだろう。

    最初は上面を着色して、ある程度の形が見えたら左面と右面を着色して立体感を出すのが楽だ。

    ライブペイントツールで楽に着色するヒント

    ・上下左右の矢印キーでスウォッチの色を選択する
    ライブペイントカーソルの上に出ている3色の四角は「選択されているスウォッチの色」とその左右の色を表示している。
    これを矢印キーの左右で変更可能。
    STEP2で作成した3色の色を矢印キーで切り替えながら着色するととても楽。
    上下キーはスウォッチのグループを変更可能。着色「なし」を選択すれば、間違って着色した部分を消せる。

    ・キーボードショートカットでスポイトツールを活用
    ライブペイントツール使用中にAltキーかOptionキーを押すことでスポイトツールに変わる。矢印キーでのスウォッチ切り替えと合わせて使うと色の選択が更に楽々。
    Windows:Altキー
    Mac:Optionキー

    ライブペイント塗り絵の例

    ライブペイントの詳しい機能はこちらの公式ヘルプをご覧下さい。

    より複雑な形状を作りたい。ライブペイントではなく自分で作図したい場合はこちらの記事が役に立つと思います。

  • [Illustrator]アイソメイラスト作成でシアー等の変形後に元の幅へ戻す拡大率

    [Illustrator]アイソメイラスト作成でシアー等の変形後に元の幅へ戻す拡大率

    アイソメトリックのイラストを書くとき、平面(正面図など)で書いた図形に縮小→シアー→回転と変形してアイソメトリックの形にすると元の幅より小さくなっている。縮小とシアーをかけているので当たり前なのだが、グリッド線に合わせて作図しているとこれがけっこう困る。手動で書いたオブジェクトと合わなくなるからだ。
    そこで、元の幅に戻す「拡大率」のご紹介。アクションに組み込むと作業が捗る。

    まずは注意事項

    この拡大率は全てのパターンで正確に元に戻る拡大率ではない。限りなく元の幅の近似値になる拡大率であることに注意が必要。
    例えば。
    元の幅=50mm
    拡大率適応後の幅=49.9999mm
    という具合になる場合がある。もちろん元の値に戻る場合も多数。
    単位が「ピクセル(px)」の場合に近似値となることが多い。

    これは元々の縮小率がルート(割切れない数値)に基づいていたり、ピクセルやミリメートル、ポイントなどの単位変換による誤差もある。さらに筆者は数学にあまり自信がないということも付け加えてご了承頂きたい。

    また、幅100%で高さ86.6%で縮小する変形方法の場合、この拡大率は使えないので注意。

    元に戻す拡大率は「141.4206%」

    アイソメトリックな形にする縮小→シアー→回転→拡大の手順。

    上面
    1. 拡大縮小:水平81.65% 垂直70.71%
    2. シアー:30度
    3. 回転:-30度
    4. 拡大縮小:縦横比を固定「141.4206%」
    左面
    1. 拡大縮小:水平81.65% 垂直70.71%
    2. シアー:-30度
    3. 回転:-30度
    4. 拡大縮小:縦横比を固定「141.4206%」
    右面
    1. 拡大縮小:水平81.65% 垂直70.71%
    2. シアー:30度
    3. 回転:30度
    4. 拡大縮小:縦横比を固定「141.4206%」

    上面の幅は元オブジェクト幅の2倍となり、左面と右面の幅を合計した数値となる。

    グリッド線を元にして手動で作図したオブジェクトと、正面図からシアー等で変形したオブジェクトを混在させながら作るときにとても重宝する。円形や複雑な形状のときは特に。
    上・左・右面用に各アクションを組んでおくと便利。アクションのパネル上では小数点第2位までの表示のため「141.42%」となるが、拡大縮小の入力時に「141.4206」としていれば大丈夫。

    一歩踏み込んで、こんな小技はどうでしょう?

    上面、左面、右面の各アクションに明るさの調整を加えると便利だ。
    アイソメトリックイラストは多くの場合、
    ・上面:明るい色(立体の基本的な色)
    ・左面:上面より10~30%ほど暗い色
    ・右面:上面より30~60%ほど暗い色
    という事が多い。
    つまり上面の色を基準にして左右を暗くすれば良いのだから、これをアクションに組み込むと作業が捗る。もちろん、作風によってはこの手法は使えないので作りたいものによって使い分けよう。

    ただし以下の手法はドキュメントのカラーモードが「CMYK」と「RGB」で別々のアクションを組む必要がある。カラーモードがCMYKの場合RGBの色調整のアクションは無視されてしまう。逆も同じ。
    真っ黒(RGB:0、K100%)の色には通用しないので注意。

    1. 色を変更したいオブジェクトを選択(左面か右面)
    2. メニューの「編集」→「カラーを編集」→「カラーバランス調整」
    3. RGBモード:RGB各値をマイナスで同じ数字。CMYKはKの%をプラスにする
      (画像例は20%暗く指定)

    イラスト全体を淡い感じに仕上げたい場合は、「カラーバランス調整」ではなく「カラーを編集」→「彩度調整」を使っても良い。この場合は一番濃い色の右面を基準に、上面が一番彩度が低くなるように調整しよう。

    最後にコーヒーはいかが?
    本文と少しだけ関係のある小ネタでちょっと一息。忙しい人は読まなくても大丈夫!

    アイソメトリック画像(イラスト)を作る手法は様々にある。大きく分けてIllustratorやPhotoshopなどの2Dで描く方法と、CADや3DCGソフトを使う3Dから作る手法。どちらも一長一短なのでどっちが良いというものでもない。どっちも良い。
    作りたい作品によって使い分けるのが良いだろう。簡単なイラストや手書きのテイストを重視したいなら2Dソフトで作り、複雑な構造や多数のオブジェクト、陰影のリアルさなどを表現したいなら3Dソフトが強い。
    さらにIllustratorだけをとっても様々な手法がある。
    効果の「3D 押し出しベベル」を使ったり、手動で書いたり、ライブペイントを使ったり。2Dソフトの中にはアイソメトリックを書くための専用補助ツールを搭載しているものもあり、選択に困るだろう。
    筆者も色々なソフト・アプリを試していはいるが、いまのところ正解は得ていない。
    ・2Dソフト→立体を作るのが時間がかかり、複雑な構造物は頭が混乱する
    ・3Dソフト→オブジェクトの作成、ライティング、レンダリングと全体的に時間がかかる
    いづれにせよ「書きたいもの」によって手法を使い分ける事が作業時間を減らしクオリティを上げることに繋がる。逆に言うと、色々な手法を試さないと自分の作風に最適なものは分からないということだ。
    ネット状にはこの記事を含めて様々なTIPSやソフト・アプリの紹介があるが、自分に合っていそうだなと思ったものはとりあえず試してみることをオススメする。

  • [Illustrator]アイソメイラストのグリッド線をパス1本でサッと作る

    [Illustrator]アイソメイラストのグリッド線をパス1本でサッと作る

    アピアランスで作るから、最初は適当に作って後で間隔などを調整可能という便利さ。
    最初に緻密な計算が不要でざっくりと始められるストレスの無さは魅力的。

    STEP1:アートボードの左端に垂直な線を引く

    アートボードの左端にアートボードと同じ高さの線を1本書く。
    アートボードの大きさ、単位などは任意でOK(この記事では単位ピクセルで解説)

    • アートボードの高さと同じ
    • アートボードの左端(X=0の座標)
    • 線幅は1pt以下が見やすい
    • 線色は何色でもOK(塗り色は無し)
    • 単位などは自由に設定可能

    STEP2:アピアランスで線を伸ばす

    STEP1で作成した線を選択したまま、アピアランスパネルの新規効果追加ボタン(Fxボタン)より
    「パスの変形」→「変形」をクリックする。
    ※この後の手順でも「パスの変形→変形」を何度も使います

    垂直方向を「300%」以上にする。

    • 垂直方向に300%以上伸ばす
    • あとで変更可能

    STEP3:アピアランスで線をコピー

    アピアランスの「変形」で線を複数コピーして垂直線を増やす。線と線の間の間隔も設定する。
    STEP2の線を選択したまま、新規効果追加ボタン→「パスの変形→変形」をクリック。
    「水平方向」に任意の数字を入れる(線と線の間隔を決める)
    「コピー」に任意で偶数の数字を入れる(アートボードの右端までコピーされる数値を入れる)
    コピー数は奇数の数字だと後の手順でグリッド線がズレるため、必ず偶数を入力する。あとで変更可能なので入力数字は適当でOK。

    • 水平方向に線の間隔を入力
    • コピー数はアートボードの右端程度
    • コピー数は必ず偶数を入力
    • あとで変更可能

    STEP4:アピアランスでパスを回転する

    STEP3の線を選択したまま、新規効果追加ボタン→「パスの変形→変形」をクリック。
    角度「60度」を入力
    コピー「1」を入力
    グリッド線がズレるため、この数字は絶対に変更しない事。

    • 角度「60度」
    • コピー「1」
    • 数値は変更しない

    STEP5:さらにアピアランスで線を回転する

    STEP4の線を選択したまま、新規効果追加ボタン→「パスの変形→変形」をクリック。
    角度「120度」を入力
    コピー「1」を入力
    STEP4と同様にグリッド線がズレるため、この数字は絶対に変更しない事。
    このステップで基本的なグリッド線は完成。

    • 角度「120度」
    • コピー「1」
    • 数値は変更しない
    • 基本的にはこれでグリッド線は完成

    STEP6:グリッド線の調整

    STEP5までの手順で出来上がったアピアランスパネルは「変形」効果が4つできている。
    そのうち、STEP2と3で作成したアピアランスを調整して、作成するアイソメトリックイラストに合わせた設定をしていく。

    • アートボードより線が短い場合は「垂直方向」の%を大きくする
    • アートボード全体に線が無い場合は「コピー数」を多くする(偶数の数字)
    • 回転角度は変えない

    STEP7:アピアランスを分割して完成

    STEP6で好みのグリッド線が出来上がったら、「オブジェクト」→「アピアランスの分割」をクリックしてパス化。グループを解除後にガイド化するか、好みの線幅と色を付けてガイド用のオブジェクトとして使う。
    「アピアランスの分割」後は線の間隔などを調整できないので注意。

    一度覚えてしまえば次からはサクッと作れる。「変形」を4回繰り返しているだけだ。基本的な部分は変わらないのでSTEP5まではアクションを作っても良いかもしれない。

    余談ではあるが、オブジェクトのコピーペーストで60度・120度回転しても綺麗なグリッドはできず高確率でずれる。幅長さを計算すれば可能だが、それよりはアピアランスで作ったほうが早いだろう。